この前のラジオ。
シンゴに考えろと言われたので続きを考えてみました
ミュージシャンを目指している俺は、夢を叶える為にたくさんの努力をしてきた。
それでも、ミュージシャンになれるのは才能がある一握りの人間だけだ。
「チャンスがない」
行き詰まり感を抱えていた俺は、何かを変えたかった。
そして、禁断の決心をして、彼女の帰りを待っていた。
彼女が家に帰り、夕飯の支度をしながら今日の出来事を喋る。
いつも通りの情景なのに、彼女は彼の変化に気付いていた。
三年近くも付き合っていれば、ちょっとの変化もすぐ気付く。
「なにかあったのかな」
いつも通りに振る舞いながらも、心配そうに彼の横顔を伺う。
その横顔を見ても何を考えているのかわからなかった。
彼女もまた、彼に話さなければならない話があった。
かねてからの夢だった海外留学が正式に決まったのだ。
彼と彼女はそれぞれ目指すものがある事を承知で付き合っていたし、
二人の関係がその足枷になるようならすぐに別れようとどちらからとも無く決めていた。
それでも彼女は彼が引き止めてくれるなら、夢を諦めてもいいと考えていた。
彼女もまた彼に支えられてここまで来たのだ。
いつもと様子が違う彼を横目に、彼女もそのとき待っていた。
そして、いつもより少しだけ豪華な夕飯に気づいているのか、気まずそうに彼が話し出す。
「俺たち別れよう。好きな人が出来たんだ。ずいぶん前から浮気してた。ゴメン。」
彼女は彼の予想外の一言に涙を流し、言葉を失った。
夢を諦めようとした決心も、彼の一言で霧散した。
あまりのショックに家を飛び出す彼女。
部屋に残された彼はこう呟いた。
「君の夢の邪魔は出来ないよ。今までありがとう。」
彼の目線の先には、彼女が帰ってくる前に届けられれていた航空券があったとさ。めでたしめでたし。
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